サクラサク

みつめあうって行為はとてもドキドキしてしまう。



大輝は、私の顔を見てる。



そう思うと顔が赤くなる。



「里奈?どうしたんだよ?」




大輝の声。



「あ、いや、何でもないの!ただちょっと大輝いるかなーってさ!」



あははっと笑う私をみて、



「なんだ、用がある訳じゃないのかよ」


と言って笑ったんだ。



「で、でもさ、いちお松瀬高校の部屋の偏差値とか聞こうって!」



やばい、なんかテンパってしまう。



「用あるんじゃねーか!」


すかさずツッコミを入れる大輝。



「……偏差値は確か52、だった気がするぜ」


52、かぁ。



そこそこいい偏差値なんじゃない?




この前の模試偏差値いくつだったっけな。


「大丈夫かよ?里奈」


「大丈夫だよ!大輝こそ、大丈夫なの?不合格にならないようにね!」



小馬鹿にしたように私が言い返すと、大輝がムッとしたように頬を膨らませる。




「大丈夫に決まってんだろ!俺前の模試よかったんだからな!」



そう言うなり大輝は、


「里奈、見てろよ!必ず合格してやる!」


と言って、やる気に満ち溢れていた。



「そ。大輝がんばってね!受験も、部活も」


「ああ。まずは部活だな」


大輝はそう言って、ゆっくりと窓の外を見上げた。


ああ、なんか絵になるなぁ〜。


あ、そうだ。


大輝は大会控えてるんだよね。


それも、中学最後の。



「応援、いくから!」


「おお!じゃ、差し入れ持ってきてくれよ!ほら、この間のレモンのはちみつ漬け!」


おお、定番中の定番ね。



あれなら何回も作ってるし。


「おうけ!でもほかのじゃなくていいの?いつもそれな気がするし」



「いいんだよ。俺は里奈のレモンのはちみつ漬けが食べたいんだから、あれしか受け付けない」


あ、照れた。


大輝の顔は少し赤くなった。


まって、うれしいんだけど!



大輝は恥ずかしいのか、パッと顔を逸らす。


こういうところ、私大好きかも。



なんか、かわいい。



そんなことおもってると、自然と笑みがこぼれてきた。


「おい、笑うな!どうせ、子供っぽいとか思ってんだろ⁈」



大輝ってば。



やっぱり、好きだ。



大輝のその照れた顔も、こういう、可愛らしい一面も。



「違うよっ!じゃ、練習、がんばってね」



「おう!」



こうして、私達の会話は終了した。



レモンのはちみつ漬けかあ、


いつ作ろう?



明日作って持って行ったら大輝はどんな反応をするのかな?



うれしいって言ってくれるかな?


それとも気がはやいって言われるかな?



でも大輝なら…。



私はそんなことを思いながら勢いよくベットにダイブした。


大輝、



私のことどう思ってる?



私は……



大輝に気持ちを気づいて欲しいよ。













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