浅葱色の鬼
惚れ薬
戦の報酬が出た日

近藤が宴をしようと一声あげると
屯所中に歓喜の声が響いた


舞い上がる皆から、土方に視線をやり


近藤は、視線を落とした



そんな様子に気づいた沖田が
近藤を散歩に連れ出した


「僕に隠し事ですか?
土方さんに言えないことなんでしょう?
ため込むのは、よくありませんよ」


「すまない 誰にも言えないんだ」


「近藤さん…」



2人の間に、気まずい空気が流れる



「近藤、沖田、ここにいたのか」

「紅音さん!こんにちは!」


チラリと近藤を見て
状況を把握した紅音がニコリ


「沖田 近藤を手伝ってくれないか
今夜、土方に薬を盛る」


「薬!?」


「そう、惚れ薬だ」


「そんなのあるんですか!?」


「私は、命
命とは、人の記憶に残らないもの
私は、過去に土方と恋仲だったんだ
そういう深い繋がりの者を治療すると
稀にだが、記憶が蘇る
土方が、鬼のようになるのは
私を思い出しかけているときだ
精神に良くないから、イライラするんだ」


「思い出しては、いけないのですか?」


「過去と今は、別人なんだ
混乱して、精神を病んだら大変だ
だから… 土方と、他の女を恋仲にする」


「もしも… 思い出してしまったら?」


「私に関わった記憶を消す」


「そんな…」


「たまたま、紅音が歳の記憶を消そうと
力を使って光をだしていてね
俺が、止めたんだ
紅音をいなかったことに、なんて
そんなの、辛い
だから…他の方法を頼んだんだ
どちらにしても、紅音が辛いだろうし
歳に薬なんて…」


「大丈夫だ…
180年も生きていれば、同じ人に
3、4回会うこともある」


「ところで…土方さんと誰を恋仲に?」


「君菊だよ 紅音が言うには、君菊は
歳に気があるようだ」


「わかりました!やります!
土方さんの為、なんですよね?
紅音さん、他の幹部にも話しましょう
急に土方さんが君菊に乗り換えたら
違和感ありますし、隊士らの手前
上手く事を運ぶ為です!」



「ありがとう沖田
私がうっかりしていたせいで…すまない」











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