浅葱色の鬼

歳三

新選組の全員とその妻達
それに店の女達、皆が酔い潰れるとか
あり得ねぇだろ…


宴の翌日



貸し切った広間には、ゴロゴロと皆が横たわり、気持ち良さそうに寝ていた


襲われたら、全滅じゃねぇか…



全員を叩き起こし

屯所に戻ると、廊下で山崎が蒼と寝ていた



俺たち、薬でも盛られたのか?



山崎がこんなとこで寝るなんて…




「すんまへん!!!」


「山崎…俺たちも、寝てたんだ
会計したらよ 酒、殆ど呑んでねぇんだ
薬でも盛られたんじゃねぇかと」


「そら、ないわ
薬に敏感な沖田と斉藤がおるんや!
それに… 俺、宴に行ってへん
こんなとこで、寝ることないし
それに… 何でここにおるんかも
記憶がないねん」


「そう言われてみたら…
宴が始まって…
んー 思い出せねぇな」







翌日の幹部会でも、皆同じ事を言った




何かが邪魔して出て来ねぇ









思い出してぇな…






宴で何があったのか…
















不思議な宴から、数ヵ月


江戸からの新しい仲間が入ったり
仕事が増えたりと

慌ただしい日々

イライラしっぱなしで、すっかり隊士達からは、鬼呼ばわりだ




「懐妊しました」





恋仲の君菊が懐妊した




「そうか!でかしたぞ!!」





君菊を身請けした

でも… 夫婦にはならず

別宅に置いた 

  
  

なかなか会いに行けず
申し訳ないと思ったが


元々、誰とも夫婦になるつもりはなかった




君菊は、それでもいいと喜んだ







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