浅葱色の鬼
惚れた腫れた
大阪の駐屯から


〝 長州浪士が潜伏する店を襲撃し
  長州の娘を捕縛した 〟


という知らせが届き、数日後





新選組に、捕縛した娘が届けられた


後ろ手に縄をかけられた娘は、紅音



「蔵に入れろ」



土方の指示で、紅音は蔵に入れられた






「捕縛してから、一言も喋りません
食事もしてませんし、一睡もしてません」






その報告を聞いた永倉が



「よし!1人づつ口説きに行こうぜ!!」




試衛館の幹部達は、その案に乗った



「御勝手に!」


数ヵ月前に入隊して、参謀になった
伊東甲子太郎は、興味がなく部屋を出た




まず最初に、診察を兼ねて山崎が蔵へ



「あかん… 診察どころやないわ」



そして、永倉、原田、藤堂、沖田、斉藤が
次々に玉砕



「次、誰が行く?」


「僕が行くよ」


山南が立ち上がる


「あぁ 大阪組の谷君をここに呼んでおいてくれるかな?」


「???俺が呼んでくるよ」



藤堂が呼びに行き
山南が蔵へ向かって、しばらくすると


縄を解かれた紅音が山南と部屋に



「彼女は、長州の娘さんではありません」


「喋ったのか?」


「いいえ さぁこちらに座って下さい」



紅音を座らせて、隣に山南が座る



「僕の予測ですけど
谷君、彼女は店で働いていたのでは?」


「そうです!看板娘でした!」


「やはり」



山南は、にこりと笑う



「谷君、彼女の前で
人を斬ったんじゃないかな?」


「っ! はい、その通りです」



山南は、紅音に新選組の仕事を説明した


「僕達は、守る為に刀を持っている
だから… 君を傷つけたりしないよ
この握り飯にも、毒なんて入ってないよ」



俯いたまま動かない紅音の向かい側に

土方が座る



「悪かった 蔵に入れたりして
怖い思いさせて、すまなかった」


2つある握り飯を1つとり
モグモグと食べた


「ほら、お前も食え」


紅音の手に、握り飯を強引に乗せた

警戒しつつ
紅音が一口、食べると





幹部達が、ほっとしながら
紅音を見つめていた








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