クールな王太子の新妻への溺愛誓約
そしてその意味を理解すると同時に、ベティの頬が赤く染まる。
それを見たマリアンヌも、一気に恥ずかしさが込み上げてきた。
「レオン殿下とキスをされたのでございますか」
ベティが“キス”の部分をやけに強調するものだから、マリアンヌは輪をかけて赤くなる。
「だ、だってね……」
言い訳しようにも、それすら思いつかない。
レオンから仕掛けたとはいえ、マリアンヌ自身も嫌だと思わなかったのだから。それどころか嬉しさに胸が震えるほど。今だって思い出しただけで鼓動は速まるし、喉はからからだ。
どうしてこの場を切り抜けたらいいのかとマリアンヌが困っていると、ベティはおもむろにその場に跪きマリアンヌの手を握った。
「よかったですね。マリアンヌ様」
穏やかにベティが微笑む。
「……え? 怒らないの? 結婚もしていないのにって」