クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「でも思い起こせば、初めてマリアンヌ様を見た時に高貴なお方なのでは?という印象を受けたのは事実です。傷だらけで意識を失くしているというのに、どこか凛として美しかったので。タカマッサの王女だと聞いて頷けます」


凛として美しかったというのは、おそらくオーバーに言っているのだろうとマリアンヌは思った。
ただ、マリアンヌを傷つけないようにしたいというベティの気持ちは、痛いほどに伝わっていた。


「ですが、それで合点がいきます」


ベティが首を大きく縦に振る。自分に言い聞かせるように呟いた。


「なにが?」

「ピエトーネから帰ってからのレオン殿下のマリアンヌ様への態度の変化でございますよ」


それはマリアンヌも身を持って知っていることだ。
それ以前からも徐々に優しく接してくれていたが、クレアだとわかって以降は輪をかけている。マリアンヌに向けられる視線も言葉も、全てが砂糖漬け菓子のように甘い。


「マリアンヌ様のことが愛しくて愛しくてたまらないといったご様子です」

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