クールな王太子の新妻への溺愛誓約

力強いベティの言葉にマリアンヌも笑顔を取り戻した。


「そうよね。きっといつの日か」


マリアンヌはベティの手を握り返す。
ふたりで笑い合ったところで、ベティは思い出したように口を開いた。


「ところで、これから私はクレア様とお呼びした方がよろしいのでしょうか」

「ううん。マリアンヌで大丈夫よ。レオン様が、『自分がクレアだと思える日まではマリアンヌと呼ぼう』って。王宮の人たちにもまだ内蜜に」


マリアンヌがシーッという仕草で、自分の唇に人差し指を立てる。


「レオン殿下は、誠にお優しいお方でございますね」


ベティはしみじみと言ったのだった。

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