クールな王太子の新妻への溺愛誓約

◇◇◇

レオンとマリアンヌの婚礼の儀まで、あと二週間ほどとなった。
それまでのんびりとしていた王宮内も、にわかに忙しい空気だ。

ふたりの結婚が決まった時から製作の始まったドレスも、最終確認の段階にきている。最後のサイズ合わせが行なわれている最中だった。


「マリアンヌ様、採寸してから少しお太りになられましたね」

「え!? 本当に!?」


ドレスを着たマリアンヌを見て、ベティが容赦のないひと言を浴びせる。


「レオン殿下に甘やかされすぎなのではないですか?」

「――そ、そんなことはないわ!」

「幸せは人を太らせる一番の要因でございますから」


ベティはそう言ってからマリアンヌのドレスを一旦脱がせ、コルセットの締め上げに入った。


「く、苦しいってば!」

< 162 / 286 >

この作品をシェア

pagetop