クールな王太子の新妻への溺愛誓約
◇◇◇
レオンとマリアンヌの婚礼の儀まで、あと二週間ほどとなった。
それまでのんびりとしていた王宮内も、にわかに忙しい空気だ。
ふたりの結婚が決まった時から製作の始まったドレスも、最終確認の段階にきている。最後のサイズ合わせが行なわれている最中だった。
「マリアンヌ様、採寸してから少しお太りになられましたね」
「え!? 本当に!?」
ドレスを着たマリアンヌを見て、ベティが容赦のないひと言を浴びせる。
「レオン殿下に甘やかされすぎなのではないですか?」
「――そ、そんなことはないわ!」
「幸せは人を太らせる一番の要因でございますから」
ベティはそう言ってからマリアンヌのドレスを一旦脱がせ、コルセットの締め上げに入った。
「く、苦しいってば!」