クールな王太子の新妻への溺愛誓約
ベティが「そうですねぇ……」と腕組みで考え始める。そして、しばらくマリアンヌを上から下まで観察してから、「仕方ないでしょう」と折れた。
(……よかった)
苦しいせいで息を荒げたマリアンヌは、ほっとせずにはいられなかった。
「国民への挨拶の前に倒れてしまっては困りますから」
「そうでしょ?」
「減量しようというお気持ちにはなられないのなら、仕方ありません」
ベティが大真面目に言うものだから、マリアンヌは「ひどいわ、ベティ」と唇を尖らせた。
「ですが、あんまりお太りになられてレオン殿下に見限られても責任は持ちかねます」
「――レオン様に見限られる!?」
ベティが恐ろしいことを言うものだから、マリアンヌは突如不安に襲われた。
言われてみれば、それも一理ある。
美しいレオンのこと。ほかにいくらでも相手はいるのだ。