クールな王太子の新妻への溺愛誓約
◇◇◇
ドレスの試着を終え部屋でひと息ついていると、政務の終わったレオンが顔を出した。
「お仕事は終わったのですか?」
マリアンヌがレオンの元に駆け寄る。
「ああ」
頷いたレオンの顔に疲労が見えた。
侍従たちが話しているのをたまたま聞いたところによると、このところのレオンは、マリアンヌとの時間を取るために仕事のスケジュールがタイトになっているらしい。
マリアンヌは、「お疲れのご様子ですが、大丈夫ですか?」と心配そうに問いかけた。
「お忙しいのなら、こちらに顔をお出しになるのは無理なさらないでください」
もちろんマリアンヌにしてみれば、レオンが来てくれることはなによりも嬉しい。だが、それで体を壊すことは本意ではないのだ。
「無理などしていない。マリアンヌの顔を見れば、疲れなどすぐに吹き飛ぶ」