クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「メイが持って来てくれたんだ」


そういえば以前、一緒に街へ行った時にメイに焼いて持って来てほしいとお願いしたことがあった。彼女が約束を守って来てくれたようだ。


「ありがとうございます」


レオンから紙袋を受け取りながら顔を綻ばせた。


「マリアンヌも呼べればよかったんだが、孫の子守りがあるとかでメイはすぐに帰ったよ」

「そうだったんですね」


本当はもっとたくさんあったそうだが、マートたち侍従にも分け与え、マリアンヌの分としてなんとか死守したのがふたつだったらしい。


「早速食べよう」


レオンはソファへマリアンヌを誘った。


「はい!」


マリアンヌは元気よく返事をして、大事なことを思い出してしまった。ついさっき、ベティと減量の約束をしたばかりだ。
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