クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「――ど、どうしてそうだと!?」
まさしくそうだったものだから、マリアンヌは目が飛び出るほどに驚いてしまった。あまりにも的を射すぎている。
するとレオンは「やはりそうか」と破顔した。
まさかレオンの目から見ても、マリアンヌの体型の変化が顕著なのか。そう考えると、レオンのそばに立つことが急に恥ずかしくなってくる。
「あの、レオン様、今日はこの辺にいたしましょう」
マリアンヌは突如、レオンの背中を押して部屋から閉め出そうと試みた。力任せにレオンをドアまで追いやる。
(こうなったら、婚礼の日までの二週間、レオン様とお会いするのはやめよう。それまでにあのドレスが似合う体型になって、綺麗な私を見てもらいたい)
「――おい、なにをする気だ」
「レオン様、ごめんなさい! 婚礼の儀までお会いできません!」
レオンが踏ん張り足を止める。振り返った彼の眉間には深い皺が刻まれていた。