クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「とにかくダメなんです!」


マリアンヌは懸命に手を突っ張るが、所詮はレオンの力に敵うはずもない。レオンに手を取られて、ソファの方へと連れられてしまった。
マリアンヌはゆっくりと座らされ、レオンが隣に腰を下ろす。


「マリアンヌは痩せすぎているくらいだ」

「痩せすぎてなんて!」


いつもそばに仕えているベティにすら、減量を勧められるくらいなのだ。痩せているはずはないと、マリアンヌは目に力を込めた。

レオンは懸命にコルセットで締め上げた体のラインしか知らないから、そんなことを言えるのだ。純白のドレスならばどうにか誤魔化せるとしても、婚儀の後に迎える初めての夜は当然ながら裸だ。

(……む、無理だわ! レオン様の前ですべてをさらけ出すなんて!)

マリアンヌは先走って想像してしまい、顔を真っ赤に染めた。

(そもそも初めての夜って、いったいどうしらいいのかしら……)

裸同士になることくらいは知っていても、それ以外のことは知識として皆無。

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