クールな王太子の新妻への溺愛誓約
レオンから名前を呼ばれ、胸の奥がきゅっと縮まるように苦しくなる。
目の前で両親の命が奪われた悲しい記憶と、レオンとの輝かしい記憶がないまぜになり、心が激しく揺れた。それでも取り乱さずに済んでいるのは、レオンから両親が亡くなっていることを聞かされていたからだろう。
悲しみに暮れるすぐそばで、自分ひとりが生かされ、こうしてまたレオンと出会えた奇跡を噛みしめる。
「よく戻ってきてくれた」
「……ありがとうございます、レオン様」
クレアは掛けられていた布団から手を出し、レオンの背に回した。遠い昔に感じたことのある、レオンの温もりだった。
しばらくその懐かしさに浸っていたクレアは、大事なことを思い出す。上体を起こそうとすると、レオンが手を貸してくれた。
「レオン様、どこかにお怪我は?」
レオンの体を確かめるようにまさぐる。
ひとりでふたりと対峙していたのだ。負傷していてもおかしくはない。
ところが、傷を負っているような様子はどこにも見当たらない。