クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「ベティ、ありがとう」
クレアがお礼を言うと、ベティは優しく微笑んだ。
ベティが退室してふたりきりになると、レオンはクレアのベッドに腰を下ろした。
「クレア、よくぞ生きていてくれた」
レオンがクレアの手を取り握りしめる。
「レオン様、ありがと――」
「“様”はよせ。さっきは“レオン”と呼んでくれたじゃないか」
「ですが――」
「敬語もなしだ」
ことごとくクレアをレオンが遮る。
確かに記憶の中のクレアは、レオンのことを呼び捨て。言葉づかいもフランクだ。
だが、いくら思い出したとはいえ、将来はフィアーコを背負って立つ王太子を相手にして、あまりにもくだけすぎではないか。幼い頃はそれで許されても、今はいい大人だ。
クレアを育ててくれた母ヴァネッサも、国王アンニバーレには敬語で接している。少なくともクレアの前ではそうだった。