クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「ベティ、ありがとう」


クレアがお礼を言うと、ベティは優しく微笑んだ。

ベティが退室してふたりきりになると、レオンはクレアのベッドに腰を下ろした。


「クレア、よくぞ生きていてくれた」


レオンがクレアの手を取り握りしめる。


「レオン様、ありがと――」

「“様”はよせ。さっきは“レオン”と呼んでくれたじゃないか」

「ですが――」

「敬語もなしだ」


ことごとくクレアをレオンが遮る。

確かに記憶の中のクレアは、レオンのことを呼び捨て。言葉づかいもフランクだ。
だが、いくら思い出したとはいえ、将来はフィアーコを背負って立つ王太子を相手にして、あまりにもくだけすぎではないか。幼い頃はそれで許されても、今はいい大人だ。

クレアを育ててくれた母ヴァネッサも、国王アンニバーレには敬語で接している。少なくともクレアの前ではそうだった。

< 200 / 286 >

この作品をシェア

pagetop