クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「なんだ」

「昔のことを話して聞かせてくれませんか?」


レオンが「え?」と不思議そうな顔をする。思い出したのじゃないのか、ということだろう。


「まだ全部は思い出せていないので、レオン様が話してくださったら、きっともっと思い出せると思うんです」


レオンとの楽しい思い出話をいろいろと聞きたい。
両親を目の前で亡くす以上の悲しい話はないだろうから。レオンの話で心が病む心配はない。


「よし、そうしよう」


レオンは口をニッとさせて笑うと、クレアをベッドに横たわらせた。寝物語として聞かせてくれるつもりらしい。


「自分がお転婆だったことは思い出した?」


レオンがいたずらっぽく笑う。
確かに、蘇った記憶の中のクレアは侍女たちの制止も聞かずに馬を乗り回してひとりで遠出してしまったり、木に登ってみかんをとったりだとか、男の子顔負けの少女だ。

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