クールな王太子の新妻への溺愛誓約

ピエトーネでの療養直後、すぐに馬に乗ることができたのはその経験からだったらしい。
女の子がいともたやすく馬を操るものだから、ベティをはじめとした侍女たちが驚いたのはクレアもよく覚えている。当時のマリアンヌも自身の運動能力にびっくりしたものだった。

ただ、レオンに話の初っ端から“お転婆”だと言われ、恥ずかしくてたまらない。


「……思い出しましたけど、レオン様、ひどいです。もっとほかにいいお話はないのですか?」


頬を若干膨らませながらクレアが苦情を申し立てる。
レオンはそんなクレアを見てクククと肩を震わせた。


「魚を素手で捕まえるんだと、湖に飛び込んだのは?」

「――ですから、そんな話ではなく」


そう反発したそばから、一気に蘇る光景。
それは、レオンの手を振り切りドレスを脱ぎ捨てた下着姿で、なんの躊躇いもなく湖に足を踏み入れていく光景だった。
魚を捕まえるどころか湖底で足が滑って、頭からずぶ濡れになるという惨状だ。

クレアの瞳が激しく揺れる。

< 204 / 286 >

この作品をシェア

pagetop