クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「思い出したか」


レオンは笑いを堪えながらニヤリという笑みを浮かべた。


「……はい」

「それから、出掛けた街で家畜の牛の乳を無理に搾ろうとして、蹴られそうになったのは?」

「……もうやめてください」


真っ赤にした顔をクレアが手で覆う。自分のことながら、恥ずかしくて聞いていられない。


「では、パイプオルガンのことはどうだ」


レオンが、クレアの手を顔から外す。


「パイプオルガン……。はい、思い出しました」


レオンはよく、フィアーコの大ホールにあるパイプオルガンを好んで弾いていた。それをそばで聴いているのが、クレアは大好きだった。

レオンが作った曲をクレアが口ずさむ。
するとレオンは、嬉しそうに目を細めた。

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