クールな王太子の新妻への溺愛誓約
「街や野原を自由に駆け回っていたかと思えば、私のパイプオルガンを真剣に聴き入ったり」
「自分を制御できない子供と一緒ですね……」
クレアはさすがに自分が情けなくなった。
もう一度その頃に戻ってやり直したい。男顔負けじゃなく、女らしさをレオンにアピールできるように。
クレアの顔が曇っていく。
「いや、ころころと表情を変えるクレアが、私はかわいくて仕方なかったよ」
「――本当ですか?」
曇ったはずのクレアの顔が一瞬でキラキラと輝く。
レオンはそんな彼女をとても愛しいという目で見つめた。
「本当だ。この世からいなくなったとばかり思っていたクレアと、こうしてまた会えて、遠い昔に交わした約束通りに結婚できることに奇跡を感じる」
『約束を破るのは好きではない』
嫁ぐためにフィアーコへやってきてから、レオンがよく言っていた言葉を思い出した。
あの言葉は、結婚の約束を叶えられなかったことを悔いていたのかもしれない。