クールな王太子の新妻への溺愛誓約
着替えを済ませ、ベティの案内でマートの部屋へと向かった。
宮殿の西館の一階。そこにマートの部屋はあった。ドアの前には二人が警護に付いている。
ベティがノックをすると、中からマートの声で「はい」と返る。
ドアをそっと開けてクレアが顔を覗かせると、ベッドに横になっていたマートは水揚げされた魚のように飛び上がった。怪我をしているというのに大丈夫なのか。
「マリアンヌ様!?」
マートはまだ、“クレアの一件”を知らない。ベッドに起き上がったマートの左腕には、包帯が巻かれていた。
「マート、気にせず寝ていて」
クレアが制するが、マートは「いいえ、そういうわけには参りません」と聞かない。
「怪我の具合はどう?」
「マリアンヌ様のご心配には及びません。このとおり――うっ……」
腕を持ち上げた途端、マートがうめき声を上げる。