クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「……できません」


ベティはため息まじりに答えた。
それに気をよくしたクレアは「でしょう?」と、顔を輝かせる。


「マートのところへ案内してくれるわよね?」

「……承知いたしました」


ベティは降参だった。クレアが間違えたことを言っていないだけに、これ以上引き留められなかったのだ。


「よかった。ベティが『知らん顔をできる』と言ったらどうしようかと思っちゃった」


クレアはペロッと舌を出しておどけた。


「クレア様には敵いません。ただし、レオン殿下には内密にお願いいたします。私が叱られてしまいますので」


そこで『どうして?』と聞き返して、ベティの気が変わってしまったら困る。どうやら、王太子妃というのは好き勝手に動けない立場のようだ。ベティの提案には、クレアも「はい」と素直に従った。


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