クールな王太子の新妻への溺愛誓約
レオンに少しでも美しいと思ってもらえるよう、コルセットをきつく締め上げた甲斐があったと思ってもいいだろう。おかげでこうしてレオンと話す機会を持てるのだから。
「ここは冷えるから、早いところ戻った方がいい」
レオンは再びパイプオルガンへと向かい合った。
せっかくレオンと話せる機会。それを逃すマリアンヌではない。
「ありがとうございます。でも、もう少しだけレオン様のおそばにいさせてください」
振り返ったレオンは、面食らったような表情をしている。
「どうしてそんなに私に構うんだ」
変なことを聞くものだとマリアンヌは思った。
「レオン様は私の夫となられる方ですから。構うなと言われましても困ってしまいます」
「……私のことが怖くないのか」