クールな王太子の新妻への溺愛誓約
レオンの表情が穏やかになり、マリアンヌも嬉しそうに笑った。
「レオン様、こちらもとてもおいしいですよ」
マリアンヌが差し出した白パンをレオンがちぎって口に運ぶ。
「メイと言ったな。今度、これらのパンを宮殿まで持って来てくれないか」
「――はい!?」
メイがこれでもかというほど目を丸くする。
「マリアンヌが、そなたの作るパンをとても気に入っているようだから」
レオンはそう言いながら、マリアンヌを見て目を細めた。
(レオン様が私のために……!)
レオンの優しい笑みに、マリアンヌが鼓動を高鳴らせる。
メイは「光栄に存じます!」と興奮気味に声を上げた。
「レオン様、ありがとうございます」