同居相手はまさかの!?
「…ちょ!」


「…何でそんな事聞くの?」


藤堂君の前髪があたしのおでこに当たった。


何…。その目…。


口元は笑っているけど、目は笑っていない。


それはまるで、感情がないアンドロイドの目だった。


「時々、藤堂君が分からない時がある。
あたしをからかったと思えば、…そうやって冷たい目をしてあたしを突き放すし…。だから…。」


「…俺の事意識してくれてんだ。」


「…違!」


その時藤堂君の顔が近くにきた。


「や…!」


あたしは顔を逸らした。


「…。」


(…襲われる!)


「…なーんてな。」


そう言って、顔を離した。


そしてあたしから離れた。


(また、からかわれた…。)

「…てい。」


「は?」


「最低!…真剣に聞いてるのにはぐらかすなんて…!」


あたしは思わず大声を出してしまった。



「お、おい!」


そしてあたしは階段を上がった。


階段を上がると、ベッドが一つ置いてあった。


…何これ。


何でベッド一つなの!?


一緒に寝ろって事!?


…冗談じゃない。


だけど部屋を見渡した限り、ベッドはここしかない。


仕方なくあたしはベッドに寝転がった。


その時


トントントン

階段を上がって来る音がした。


「…おい。」


(ムシムシ!)


その時あたしは寝たフリをしていた。


その時藤堂君が口を開いた。


「…さっきはごめん。からかいすぎた…。
ごめん…。」

そう言って下に降りた。

だけどあたしは寝たフリをしていた時

さっきの事を思い出した。

「…何であたし…あんな事されたのにドキドキしてるのよ…。」

どんどん脈が速くなっていく。


相手は悪魔なのに…。


何でこんなにもドキドキするのよ…。


やめてよ…。 


これは違うんだから。

絶対、好きになんかならないんだから…!


こうしてあたしの初めての夜ははドキドキしたまま

幕を閉じた。







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