同居相手はまさかの!?
【茉莉side】


チュンチュン


昨日の朝、あの後あたしはあの家に帰った。


…藤堂君は結局、帰って来なかった。


…そらそっか…。


昨日振った相手と一緒の家になんか居たくないよね…。


こんな時どうすれば良いんだろう…。


振られても、一緒に住まないといけないのに…。


あ…違うか…。


いつでもリタイアは出来るんだっけ…。


そういえば、未だに運営からはメールがない。


…届くっていってたのに…。


こんな時に届かないなんて…。


その時


♪〜♫〜♫〜♪


スマホが鳴った。


画面を見ると、葵からだった。


「葵?」


(…今は誰とも話したくないんだけどな…)


あたしは電話に出た。


『…もしもし?』


『…茉莉?』


葵の声のトーンがいつもより低かった。


(…どうしたんだろう?)


『…どうかした?』


『茉莉、今日の夜、空いてる?』


『…うん』


『…話したい事があるの』


『話?』


『あたしも…もしかしたら…騙されたかもしれない』


【騙されたかもしれない】


葵の突然放ったその言葉の意味があたしは分からなかった。


『…どうゆう事?』


『…とにかく会って話したいの…』


今にも泣きそうな葵の声にあたしはとまどいながらも


『…分かった。』


返事をした。


『じゃあ、後でね。いつもの居酒屋に18時で』


『うん』


そしてあたしは、電話を切った。

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