同居相手はまさかの!?
パタン

「先日にはもう聞いたが、いきなり退職をするのはどうしてなんだ?」


「それは…。」


(もうすぐで俺の役目が終わるからです。…なんて言えねえよな…。)


「君は特に、営業でも成績は良い方だし、
辞めるのはおかしいと思ってね…。」


「……」


俺は黙ってしまった。


「ウチの会社に何か不満でもあるとかか?」


「…そんなんじゃないです。」


「え?」


「ここの会社は、皆さん優しい人ですし不満なんてないです。
ただ…。」


「…ただ?」


「…私の勝手な都合の理由です。
せっかく良くして頂いたのに申し訳ございません…。」


俺はそう言って頭を下げた。


俺も復讐とか、社長の指示とか、


そんな理由でこの会社に来たくなかった。


普通に、この会社の社員としていたかった。



俺は茉莉も、清宮課長も、営業2課の社員を全員騙してる。


最低だ。


でも…俺は…


母さんが無くなった後、居場所が無くなった。


その居場所を叔父さんが作ってくれた。


叔父さんには今まで良くしてもらった恩がある。


だから…。


「…何か理由があるんだね。分かった。ならこれ以上は聞かない。」


「…ありがとうございます。」


「ただね、君は退職するまではウチの大事な社員だ。
私の大事な部下だ。」


「…清宮課長。」


「退職するまでは、最後まで頑張って貰うよ?良いね?」


「はい!ありがとうございます!」


「とりあえず今はコンペに向けての書類作成だ。
本気で頑張ってくれ!
勝ったら、君も旅行に参加する事。
それが君の最後の仕事だ。
良いね?」


(…清宮課長。)


「はい!ありがとうございます!」


「よし。じゃあ社長には私から伝えておくから。
君は仕事に戻りなさい。」


「はい、失礼致します。」


そして俺は会議室を出た。


< 257 / 504 >

この作品をシェア

pagetop