同居相手はまさかの!?
その時

「…ったく良い歳した親父が嬉しそうにしやがって…。」


後ろから声が聞こえた。


振り返ると、友也のお兄さん和也さんが立っていた。


「兄貴!」


「お兄様!」


(…本当、友也にそっくりだな…。)


改めて思う。


「茉莉さん、友也結婚おめでとう。」



「ありがとう。」



「ありがとうございます。」


「友也、…俺も悪かった。…いつのまにか友也を苦しめていたなんてな…。」



「兄貴…。」



「俺はいつもこの家に貢献しようと努力してきたつもりだった。
でも俺は、受験に失敗してから…家に帰らなくなった。
そして逃げ出した。
その後…この家はめちゃくちゃになった。
友也…本当にごめんな。」



「…もういいよ。」



「お前はいつだって俺の大事な大事な優秀な弟だよ。」


その時和也さんが友也の肩をポンッと置いた。


「…兄貴。」



「幸せにな。」



「ああ…ありがとう。」



そして和也さんは去って行った。

< 486 / 504 >

この作品をシェア

pagetop