わたしがまだ姫と呼ばれていたころ
「サインですね。ご先祖様からの」
「祟りとかですか」
「いえいえ。ご先祖様は祟ったりしませんよ。ただ、気づいてほしいだけなんです」
「どういうことでしょう」
「過去世に何があったのか、見ていきましょうね」
「はい、よろしくお願いします」
いつになく神妙な顔の姫を安心させるように、先生は続けた。
「怖がらなくても大丈夫ですよ。さぁ、こちらへどうぞ」
施術用のベッドへ案内された。
「洋服はそのままで大丈夫ですか。着替えますか」
「このままで大丈夫です」