あなたの運命の人に逢わせてあげます
「産めばいい」
おれはキッパリ言った。
「おれの子どもを産んで、おれと一緒に子どもを育てたらいい」
美咲の目が見開いた。
この人、あたしが今言ったこと、聞いてた⁉︎
……と、その目が告げているのが手に取るように解った。
「医学は日々進歩してるんだ。子どもの一人くらい、なんとかなるだろ」
「……呆れた……あたしの病気がどんなかも知らないのに」
美咲は心底呆れ果てた口調でそう言った。
だがその直後、突然俯いて肩を震わせ始めた。
……感動のあまり泣かせたかな?
そう思って美咲の顔を覗き込んでみる。
そう言えば、子どもの頃に彼女の泣き顔を見たことがなかったのに気づいた。