不機嫌なジェミニ
ジンさんが部屋に入って来て、
「なんだ、さっきの叫び声は?」
と言ったけど、
破れたペンケースと、私がハトコを掴んでいるのを見て、
「ピンが折れたのか?
怪我しなかったか?」と聞くので
セイジさんと私がウンウン頷くと
「やっぱ、古いから付け直しておいた方が良かったなあ。だから、寄越せって言ったのに…トウコ、ピンバッチにしておくか?」とハトコを掴んで、裏を確認している。
…直しておきたかったから、『交換』って言っていたの?
「じ、ジンさん、そこに『J』って書いてあります。…ジンさんが作ったんですか?」
と掠れた声で聞くと、
「最初に作って、大学の学園祭に出した中のひとつ」と笑う。
「わ…私が…ずっとそれを持ってたんですか?」
「そうなるな。
…ハトじゃなくて、ヒバリのつもりだけど…」
とハトこを撫でてわらう。
嘘お…
「トウコが気に入ってくれて良かったよ。
ペンケース買い直して来いよ。
『ハトこ』は直しといてやるから…」
ジンさんは何もなかったようにハトこを持って部屋を出て行った。
「やっぱり、運命ってあるんだな。
…敵う(かなう)わけがない。」
とセイジさんが呟く。
私は驚きすぎて
ただただジンさん出て行ったドアを見ていた。
おしまい。
「なんだ、さっきの叫び声は?」
と言ったけど、
破れたペンケースと、私がハトコを掴んでいるのを見て、
「ピンが折れたのか?
怪我しなかったか?」と聞くので
セイジさんと私がウンウン頷くと
「やっぱ、古いから付け直しておいた方が良かったなあ。だから、寄越せって言ったのに…トウコ、ピンバッチにしておくか?」とハトコを掴んで、裏を確認している。
…直しておきたかったから、『交換』って言っていたの?
「じ、ジンさん、そこに『J』って書いてあります。…ジンさんが作ったんですか?」
と掠れた声で聞くと、
「最初に作って、大学の学園祭に出した中のひとつ」と笑う。
「わ…私が…ずっとそれを持ってたんですか?」
「そうなるな。
…ハトじゃなくて、ヒバリのつもりだけど…」
とハトこを撫でてわらう。
嘘お…
「トウコが気に入ってくれて良かったよ。
ペンケース買い直して来いよ。
『ハトこ』は直しといてやるから…」
ジンさんは何もなかったようにハトこを持って部屋を出て行った。
「やっぱり、運命ってあるんだな。
…敵う(かなう)わけがない。」
とセイジさんが呟く。
私は驚きすぎて
ただただジンさん出て行ったドアを見ていた。
おしまい。