不機嫌なジェミニ

翌朝早く起きて、ジンさんが眠っている顔を見つめてそっとベッドを抜け出す。

「早く寝かせる」

と言ったジンさんは言葉通り、直ぐに私を翻弄し、なんども声をあげさせ、
「トウコ、もうちょっと頑張れ」と息を乱して声をかけながら、
腰を激しくうちつけて私の意識を朦朧とさせ、早め（？）に眠りにつかせたみたいだ。

この間は朝方まで眠らせてもらえなかったから、早く寝かせてもらえたのだろうけど、
エッチはなしでも良かったのでは．…と顔を赤らめながらシャワーを浴びる。

「下着も服も用意してある」と昨日言っていたので、
この間借りたバスローブを羽織ってウォークインクローゼットをそうっと開けると、

ジンさんのスーツと一緒に女性ものの上品なパンツスーツとスタンドカラーと襟が開いたブラウスが1枚づつ用意されていたので
首のキスマークが隠れるデザインのブラウスがあることにとホッとするのと同時に
棚の上に用意されている新しい下着も見つめ、
これからもこんな風に急に泊まることがあるのだろうか？
少しだけ衣類を置かせてもらおうか
と考えてしまう。


ジンさんっていつ他の恋人に会っているんだろう？と疑問も湧く。
ここには他の女の人の荷物はないみたいだけど…
私の荷物を置いても良いのだろうか…

「トウコ」と呼ぶ声に振り向くと、

「一緒に駅前で飯を食って出かけよう」とジンさんがベッドから起き上がってやって来るので、

「はい。着替え、ありがとうございます。用意します。」とスーツを手に取り微笑むと、

「おはよう」とジンさんは私の額にキスをして、シャワーを浴びに行った。