タイムリープ
「昨日のデートができないというより、デートを断ったら、優太は怒る?」

『ますます意味が分からないよ、梢』

電話越しから、優太は低い声で言った。

「どうなの?優太」

私は、冷たく訊いた。だけど、声は震えていた。

実家の大阪に帰って、母親に会う人生を選択したら、彼と私はデートできない。そうすると、彼から彼女なんか言ってもらえないだろう。

『怒らないよ』

優太は、短く言った。

「え!」

それを聞いて、私は驚きの声を上げた。

「ど、どうして?せっかく夏休み前から予定していたデートなのに、できないかもしれないんだよ!」

思わず私は、強い口調で訊いた。だけど、瞳に流れる冷たい涙。

『梢の言ってることはわからないけど、デートを断ったぐらいでは怒らないよ』

電話越しから、優太の優しい声が聞こえた。

「でも、断ったら私、優太を裏切ることになるんだよ!せっかく、約束までしていたのに………」

私は、泣きながらそう言った。
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