タイムリープ
「それ、ほめてるの?けなしてるの?」

私は眉をひそめて、神様を見つめた。

「もちろん、ほめてるさぁ」

神様は、両手を広げていたずらぽっく笑って言った。

なまいきで偉そうな奴だけど、屈託のない神様の笑顔が私の怒りを忘れさせた。

「はぁ、別に嘘はついてないよ。仕事でも好きな人にも好きって言うし、嫌いな人には嫌いって言うよ」

言った言葉とは裏腹に、私は嘘をついていた。

優太の影響のせいなのか、私は確かに優しくなった。けれど、お客様を好きになることはなかった。
優太以外に、人を好きになるなんて考えられなかった。

「じゃお前は、斎藤のことも好きだったのか?」

私に指差して、神様は低いトーンで訊ねた。

「それは………」

それを言われると、私は言葉に詰まる。

私の脳裏に斎藤の姿が思い浮かび、背筋が一瞬冷たくなった。
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