タイムリープ
「母親が死ぬ前の日に戻って、言えなかったお別れの言葉を母親に言う。それが、私の優しさだよ」

私は、神様に諭すように言った。

「大好きな人とのデートを断っででも、お前はそれが優しいと思うのか?」

神様は眉を寄せて、低い声で私に訊ねた。

「うん。それが、私の優しさだよ。優太とは生きてる間デートはできるし、優太だって私と同じ選択をするはずだから」

私は、はっきりと言った。

タイムリープする前に優太と電話したおかげなのか、彼が私の気持ちを分かってくれることを信じていた。

「神様にも、優しい感情はあるでしょ?」

そう言って私は、神様に指差して訊ねた。

「残念だが、そんな感情はない」

「え!」

神様の口から発せられた言葉を聞いて、私は目を丸くして驚いた。
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