タイムリープ
「優太………」

呟いた私の声が、震えた。

文字を読んだだけでも伝わる、彼の悲しい気持ち。私の胸が苦しくなり、瞳が水のように揺れた。

開いてる窓からうるさく聞こえる、蝉の鳴き声が今の彼の気持ちを表しているようだった。

【好きだよ。でも、急に大事な用事が入ったんだ。本当に、ごめんね】

慣れた手つきで液晶画面に文字を打ち込んだ私は、彼に返信した。

ーーーーーーごめんね、優太。約束していたデートできなくて。

私は、心の中で彼に謝った。

私にはデートした記憶はあるが、彼にはない。その思い出が、また私を悲しませる。

ーーーーーーブルブル!

数秒後、彼から電話がかかってきた。

持っていたスマートフォがブルブルと震え、私は慌てて電話に出た。

「もしもし、優太」

私はスマートフォンを耳に当てながら、桜色の薄い唇を開いた。

『梢か?』

電話越しから聞こえた彼の声は、暗かった。


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