タイムリープ
『運命も、結構ひどいよな。デートを約束していた日に、梢に急な用事が入るなんて………』

私のことを信じてくれたのか、優太はさびしそうな口調で言う。

電話越しから聞こえる、彼の声が私の胸を苦しめる。

「信じて……くれるの?」

私は、震えた声で訊ねた。

『ああ。今の梢の声は、嘘なんか言ってないよ』

私の耳に入ってくる彼の声は、やわらかかった。

私も、本当に運命はひどいと思った。優太と約束していたデートの日と、母親の死が重なるなんて。

私は、奥歯を噛みしめた。

「約束してたデートを裏切ったけど、優太は私に怒らないの?」

私は、不安そうに訊ねた。

不安の波がぐっと押し寄せ、私の心臓が圧迫されるように重くなった。

『デートを断ったぐらいでは、怒らないよ』

電話越しから聞こえる優太の声は、私をなぐさめるように優しかった。

タイムリープする前に彼と電話で話したことを、優太は私に同じことを言ってくれた。

ーーーーーー優太を信じてよかった。

私は、心からそう思った。
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