タイムリープ
『大切な用事なんだろ。デートができないのは辛いけど、梢はそっちを優先してあげて』

「うん」

私は、うなずいた』

『じゃあな、梢』

「本当にごめんね、優太」

そう言って私は、電話を切った。

電話の切れたツーツーという音が、私の耳に切なく聞こえる。

これで私は、大阪に帰って母親に会う人生を選択した。鏡に映る私の顔は、化粧をしてない見慣れたいつもの自分だった。

「はぁ」

私の口から、深いため息が漏れた。

デートをしていた日は化粧をして自分でも美しく感じていたが、今はどこか疲れた表情をしていた。

ーーーーーーブルブル!

そのときか、私のスマートフォンがけたたましく鳴り響いた。

私は、スマートフォンに視線を落とした。液晶画面に表示されていたのは、清水翼だった。

「もしもし、翼?」

私は液晶画面に表示されてた電話マークを右にずらして、ブルブルと震えていたスマートフォンに出た。

『姉ちゃん、すぐ大阪に帰ってきてくれ!』

ひどく慌てているのか、翼は取り乱した口調だった。
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