クールな部長とときめき社内恋愛
すると、穂乃恵さんが眉を寄せて兄さんにかみついた。
「春伸、言い方がきつすぎ。もっと優しく言えないの?」
「別に俺はきつく言ったつもりはないし、わざわざ優しく言うことでもないだろ」
兄さんの言葉にさらに顔を険しくさせた穂乃恵さんに、俺はまずいと思ってふたりの間に割って入った。
「はーい、喧嘩とかしないでね、せっかくの旅行なんだから。とりあえず旅館に向かおうか。それでゆっくり温泉浸かって、美味いもの食おう」
ふたりを宥める俺に舞花が申し訳なさそうな顔をしていて、俺は大丈夫だという意味を込めて彼女に微笑んだ。
いつもは穂乃恵さんがグイグイ話しかけていて、兄さんが冷めた態度でも話は聞いているのが基本だ。
でも今日はお互い意識しているのか、会話も少ない。
そうのうち慣れればいつもの調子を取り戻すだろうけど。
旅館へ着いて部屋を案内してもらい、その間舞花と話して落ち着いたのか、温泉に向かうとき通路で会った穂乃恵さんは、徐々にいつもの調子を取り戻しているように見えた。
「あー、混浴だったらいいのに。舞花と一緒に入りたい。宿の浴衣姿も早く見たいな」
「な、なに言ってるんですか、逸希さん」
顔を真っ赤にした舞花に口もとを緩めていると、穂乃恵さんに「逸希くんって友野さんにベタ惚れなのね」と笑われたので「まあね」と返す。
「春伸、言い方がきつすぎ。もっと優しく言えないの?」
「別に俺はきつく言ったつもりはないし、わざわざ優しく言うことでもないだろ」
兄さんの言葉にさらに顔を険しくさせた穂乃恵さんに、俺はまずいと思ってふたりの間に割って入った。
「はーい、喧嘩とかしないでね、せっかくの旅行なんだから。とりあえず旅館に向かおうか。それでゆっくり温泉浸かって、美味いもの食おう」
ふたりを宥める俺に舞花が申し訳なさそうな顔をしていて、俺は大丈夫だという意味を込めて彼女に微笑んだ。
いつもは穂乃恵さんがグイグイ話しかけていて、兄さんが冷めた態度でも話は聞いているのが基本だ。
でも今日はお互い意識しているのか、会話も少ない。
そうのうち慣れればいつもの調子を取り戻すだろうけど。
旅館へ着いて部屋を案内してもらい、その間舞花と話して落ち着いたのか、温泉に向かうとき通路で会った穂乃恵さんは、徐々にいつもの調子を取り戻しているように見えた。
「あー、混浴だったらいいのに。舞花と一緒に入りたい。宿の浴衣姿も早く見たいな」
「な、なに言ってるんですか、逸希さん」
顔を真っ赤にした舞花に口もとを緩めていると、穂乃恵さんに「逸希くんって友野さんにベタ惚れなのね」と笑われたので「まあね」と返す。