クールな部長とときめき社内恋愛
藤麻さんは悪くないし、ただわたしが勝手にイライラしているだけ。
そう自分でも理解しているはずなのに、彼を避けてなにも言わず帰ろうとした。けれど、横を通ったときに声をかけられてしまう。
「今日はあまり酔ってないの?」
「……はい」
振り向かず、わたしは小さな声で返事をした。
すると藤麻さんがわたしの目の前にやってきて、顔を覗くように見てくる。
「最近、俺への態度がおかしくないか」
おかしかったら、なんですか? 別にそんなこと、どうでもいいじゃないですか。
口を開いたらそう言ってしまいそうで、ぎゅっと唇を結ぶ。
八つ当たりなんて、絶対にしたくない。だからあまり話さないほうがいい。
そう思ったわたしは、なにも言わずにお辞儀だけをして藤麻さんから離れた。
藤麻さんと並田さんが話しているのを見て胸が痛んだり、ムカムカしたり、嫌な気持ちになる理由。
そんなわけじゃないって否定しながらも、心の隅で気づいている。
彼はきっと、気まぐれでわたしを構っている。まったく相手にされないようになったとき、もしも好きになっていたら悲しい思いをするのは自分だ。
藤麻さんとの距離感を間違えてはいけない。そう思いながらわたしは自宅へと帰った。
週が明けても、気分はすっきりしないままだった。なんだか体もだるくて、少し頭も痛い。
いつも仕事をしているときは集中して余計なことは考えないのに、今日はその集中力がまったくない状態。
そう自分でも理解しているはずなのに、彼を避けてなにも言わず帰ろうとした。けれど、横を通ったときに声をかけられてしまう。
「今日はあまり酔ってないの?」
「……はい」
振り向かず、わたしは小さな声で返事をした。
すると藤麻さんがわたしの目の前にやってきて、顔を覗くように見てくる。
「最近、俺への態度がおかしくないか」
おかしかったら、なんですか? 別にそんなこと、どうでもいいじゃないですか。
口を開いたらそう言ってしまいそうで、ぎゅっと唇を結ぶ。
八つ当たりなんて、絶対にしたくない。だからあまり話さないほうがいい。
そう思ったわたしは、なにも言わずにお辞儀だけをして藤麻さんから離れた。
藤麻さんと並田さんが話しているのを見て胸が痛んだり、ムカムカしたり、嫌な気持ちになる理由。
そんなわけじゃないって否定しながらも、心の隅で気づいている。
彼はきっと、気まぐれでわたしを構っている。まったく相手にされないようになったとき、もしも好きになっていたら悲しい思いをするのは自分だ。
藤麻さんとの距離感を間違えてはいけない。そう思いながらわたしは自宅へと帰った。
週が明けても、気分はすっきりしないままだった。なんだか体もだるくて、少し頭も痛い。
いつも仕事をしているときは集中して余計なことは考えないのに、今日はその集中力がまったくない状態。