クールな部長とときめき社内恋愛
それから熱は下がって、数日経っても体調が悪くなるようなことはなく、風邪はすっかり治ったようだった。

「舞花、おはよう!」

朝、会社の出入口で偶然美知と一緒になった。
挨拶を返し、ふたりで社内へと入っていくと、美知がわたしの肩を肘でつつく。

「ねえ、あれから藤麻さんとはどう?」

楽しそうな顔をしている美知にわたしは一瞬ドキッとしながらも、「どうって、なにが?」と聞き返す。

「もう、とぼけちゃって。舞花は否定してるけど、藤麻さんに気に入られているでしょ。よく話しするって言っていたし、もっと仲良くなれた?」

藤麻さんにかわいくて放っておけないと言われたことが頭に浮かんだけど、この時間だと誰かに聞かれるかもしれないから、社内の通路で話さないほうがいいと思った。

「べ、別に、わたしは雑務をこなしているだけだし、同じ課だから話をするだけだって……」

他の男性社員よりも話す機会が多いだけ。でも、よく考えたらこれって結構親しいのかな。風邪を引いたらわざわざ家にも来てくれたし。

いつのまにか藤麻さんのペースで、気づいたら近くにいる感覚。
最初はあまり関わらないようにしようと思っていたのに、女性と楽しそうに会話をしているのを見てもやっとしてしまったりする。
わたしは彼のことを気になっているんだと思う……。
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