クールな部長とときめき社内恋愛
一日中すっきりしない気分のまま、仕事の合間に藤麻さんのことを考えたりしながらも終了時間になって、わたしは大きくため息をついた。

仕事に影響はなかったが、気持ちが沈んだ状態なのは自分でも面倒だと感じる。

どうしてこんなに落ち込んでいるのだろう。
藤麻さんが怒っているような感じだったから? 元カレのことを言われたのが、恥ずかしかった?

違う、彼の誘いに返事ができなかったことに、がっかりしているんだ。
本当はデートっていう言葉にドキドキしていた。
今さら藤麻さんにデートしたいって言うこともできないし、朝の会話以外は事務的なやりとりしかしていないから気まずい。

あのとき、行きたいです、と素直に言えなかったのは、やっぱり前の恋を心のどこかで気にしているからだと思う。
そういえば晃久さんと別れたあと、とにかく忘れようって必死で、付き合っていたときのことを否定するようなことばかり考えていた。

晃久さんとの出会いを運命だと感じたのは、そのときのわたしにとって大切な恋心だったのに。

前に進もう、忘れよう、ってことばかりでちゃんと整理できていないから、新しい恋にも向き合うことができないのかもしれない。

藤麻さん……いつもみたいに声をかけてきてくれたら、少しだけほっとするんだけどな。
< 79 / 151 >

この作品をシェア

pagetop