昼下がりの情事(よしなしごと)
六月に開かれた佳祐と香里の結婚式の二次会に、和哉は美咲を連れて行った。
そのとき、美咲と香里がとたんに意気投合したのだ。
ふんわり(ぼんやり?)清楚系の美咲とサバサバ(毒舌?)ゴージャス系の香里では真逆のように見えるが、なぜかウマが合うらしい。
今では「かおりん」「美咲」と呼び合う仲で、「女子会」と称して二人で遊びにも行っていた。
『……あたしが、美咲の「親友」として、証人になるわ!』
香里は宣言した。もう、だれにも止められない。
『だいたい、佳祐ったら緊張して、婚姻届を何度も書き間違えるのよ⁉︎ 実はあたしと結婚したくないんじゃないかって思ったわよっ!』
……えらいヤツに頼むとこだった。一枚しかないのに。
『印鑑も持ってる!新田はもちろん、仕事で使ってるから旧姓の長澤もあるわっ! 』
……いや、戸籍名の「新田」でお願いします。