昼下がりの情事(よしなしごと)

「……美咲、おまえも悪いんだぞ」

和哉が美咲の広い額をぴん、っと指で弾く。

「おまえは超狭いから、おれはいつも加減してやさしくやろうと思ってんだ」

彼女は目覚めない。
満ち足りた顔ですやすやと眠っている。

「なのに、『締めてもいい?』とか言って、きゅううぅ……って締めてきやがって……あれでおれの理性がブッ飛ぶんだよっ!」

和哉は美咲の額に自分の額をこん、っとぶつけた。

「昼間はあんなに天使なのに、夜はなんであんなにエロいんだ?」

娼婦みたいだ、と和哉は思った。

……女は買ったことないけど。

< 84 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop