遠い昔からの物語
いつか


昭和二十年、夏……


佐伯(さえき) 安藝子(あきこ)は東京での度重なる空襲から逃れるために、父の故郷にある伯父の家に疎開していた。

ある日、家人の留守中に間宮(まみや) 寬仁(ともひと)が訪ねてくる。

招集令状が来て入隊することを、彼の兄の妻であり安藝子の従姉(いとこ)でもある間宮(まみや) 廣子(ひろこ)に報告するためだった。


彼にとって、廣子は初恋の人だった……

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