遠い昔からの物語

◇最終話◇


空襲警報のサイレンが鳴り響く中、わたしたちは激しく交わった。

けたたましいサイレンの音が、寬仁(ともひと)を、わたしを、獣のように狂わせた。

寬仁の力強くそそり勃ったもの(・・)は、今や、わたしの中にすっぽり納まり、猛々しく暴れまくっている。

真夏なのに、防空のために窓を締め切っているので、暑くて熱くて、わたしたちの汗は蒲団の上へ滝のように流れ落ちていた。

わたしは初めて味わう、身を裂くような(こら)えがたい強烈な痛みに、ひたすら耐えた。

でも、その一方で、寬仁を満足させているという陶酔感にも浸っていた。

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