*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~
でも抱かなかったんだ。

……正直嬉しい。

昔と変わらず優しくて誠実な人のままで嬉しいよ。

類なら……とっくに倦怠期だし危ういな。

……忘れられない人いるんだ。

どんな人だろう?

先輩の心をずっと惹き付けたままの女性なら、最上級に違いない。

……羨ましすぎ。

そしてちょっとだけ……いや、かなり胸がザワザワ、チクチクする。

失恋張りに。

……何やってんだか、私。

なんてこと考えながら顔を上げて先輩を見ると……!? いない!

後ろの階段を見てもいない。

慌てて握り閉めてたティッシュをそのままバッグに入れると、いつの間にか隣に人がいるのに気付く。

何気に目を向けると、あまりの驚きにプチ悲鳴を上げてしまう。

なぜなら左隣1メートル程の所に、先輩が私を見て座っていたから。

しかもしばらくの間、じっと無言で見てくる。

…………盗み聞きしてたのバレてて怒ってる?

文句言いにきたとか?
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