お見合いさせられました！
「今日お会いしたばかりですよ？それに、私は結婚願望ゼロなんです。ですから、このお話はなかった…」

なかったことにしてくださいって最後まで話す前に、五十嵐さんに遮られてしまった。


「却下」


「どうして！？なんで私なんですか！？五十嵐さんはモテるでしょう？私じゃなくても、女の子は他にいっぱいいるでしょう？」

絶対五十嵐さんはモテるよ。
東航ＤＤに勤めてて、エリート中のエリート。
身長は１８０センチを越えてて、顔は整ってる。
スーツがよく似合ってて、筋肉も程よくついてる。
家柄だって悪くない。

そもそもお見合いなんてしなくてもいいだろうに。


五十嵐さんは脚を組み直した。
フーッと大きく息をはく。


「好きな女にモテないと意味ないだろ」


「五十嵐さん、好きな人にモテないんですか？」

お気の毒に。
ちょっと可哀想になる。
私が哀れみの目で見ると、五十嵐さんは大きくため息をついた。


「やっぱり天然なんだな。はっきり言わないとダメだな。好きな女、つまりお前だよ。奏美チャン」


「はい？」

この人、なに言ってるの？

騙してお見合いさせたかと思えば、私のことを好きな女だと言う。

私、美貌の持ち主でもなんでもなく、一般ピープルですよ。
相当視力悪いとか？

もしかして新手の詐欺？

賭けをしてるとか？


「変な妄想するな」

一蹴されてしまった。


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