ライアーピース
「結婚式?」
「そう。唯と陸、
結婚するんだって」
「へえ。俺も
行っていいのかなあ」
「旦那さんと来てって言われたもん」
「そっか。なら行こうかな」
「服、クリーニングに出しとくね」
夕食の時間、
歩夢は嬉しそうに私を見つめた。
「どうしたの?」
「んー?もうすぐだなあって」
「楓のこと?」
「うん。男の子かなあ、
女の子かなあ」
「だからどっちなのか
聞こうって病院で言ったじゃん」
私が言うと、歩夢はふっと笑った。
「若葉ー」
「何?」
「好きだよ」
「私も。歩夢のこと愛してる」
「よく言ってくれるね、若葉」
「だっていつも思ってることだもん」
私がくすくす笑うと、
歩夢もつられて笑う。
私たちはお互い見つめ合って笑うと、
そっとキスをした。