ライアーピース
Piece5



やっばい。
寝坊だ、寝坊!!


朝起きると時計は午前5時。
集合時間は6時なのに・・・っ!!


急いで支度をして家を出る。


陸の家に行くには少しギリギリの気がする。


とにかく私は考えるより先に動いていた。


思い切り全速力で走って、
ようやく陸の家に辿り着いた。


「お、おはよう。陸」




「・・・アンタ誰?」



うぅ・・・。
急いでる時にこれは結構キツい・・・。


息を整えて深呼吸。
そうして陸に笑顔を向けた。





「私は二宮若葉。陸の彼女だよ」




「・・・そうか、彼女・・・そっか」


また陸が申し訳なさそうに俯く。


これにも慣れておかなくちゃ、
心臓がいくらあっても足りない。


「支度は出来てるんだよね?」


「なんの?」


「なんのって、
今日から合宿でしょー?」


荷物は昨日の夜のうちにまとめたって
言ってたから大丈夫だよね。


陸の荷物を持って
時計を見ると5時35分。


「やばいよ、陸。急がなきゃ!!」


今日からレクリエーションを兼ねた交流会。


楽しい2泊3日か、波乱の2泊3日か。


それは全て、私次第。


寝坊はしたけど、きっと
いいことが待ってるに違いない!


私は陸の手を引いて走った。


夜明けとともに、
私たちの合宿は幕を開けた。





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