オトナの恋は礼儀知らず

32.もらった幸せ

　何日かして秀くんと舞さんのがそれぞれの孫を連れて遊びに来てくれた。

「母さん。
　俺か舞と暮らしたらどうですか？」

　秀くんは、もともと父さんの暮らしていた家だからと勧めてくれる。
　浩一さんとは新しく買ったマンションで暮らしたので、浩一さんが暮らしていた一軒家は秀くんに譲ったのだ。

「いいの。私は浩一さんと一緒に住んでいたここを離れたくないわ。」

「父さんには敵わないなぁ。」

　苦笑する秀くんにお礼を言って、みんなに大切にされてなんて幸せなんだろうと噛みしめた。


　真琴の出生を知って改めて会ってみても、友恵も浩一さんと同じだった。
　どの子も可愛い孫に変わりなかった。

　しばらくして用事があるという秀くんが先に帰ると言い、孫達も一緒に帰っていった。
　舞さんだけが残った。

　もしかしたら秀くんも全てを知っていて私たちに話せるように気を遣ってくれたのかもしれない。